電子書籍の標準規格「EPUB」早わかり


このエントリーではEPUB概要・仕様・ePub関連のサイト・日本語表示の問題点についてまとめてあります。

EPUBの概要

EPUB(イーパブ)は電子書籍(eBook)の公開規格の中の一つです。アメリカのIDPF (International Digital Publishing Forum)という団体が仕様をまとめています。2010年1月にApple社のiPadが発表され、書籍版iTunes とも言うべき「iBook Store」でのフォーマットにこのEPUBが採用されたことで一気に注目が集まりました。現在数ある電子書籍規格の中でそのオープン性と扱いやすさから業界標準としての地位を着々と固めつつあります。

epubという名で広く知られていますがepubというのは拡張子の名前で、正式にはOpen Publication Structure (OPS)という仕様があります。またOPSの関連仕様としてOpen Packaging Format (OPF)があります。どちらも有志の方により日本語翻訳されたものが公開されています。ありがたや〜。

EPUBの仕様  XHTMLとの関係 (技術的な話)

EPUBの仕様ではコンテンツ(本文)部分を作成する際に2つの仕様を利用することが出来るようになっています。そのうちの1つはWeb標準技術であるXHTML1.1がベースとなったものです。OPS2.0 v1.0ではXHTML1.1のXHTML Modularization 1.1を推奨ボキャブラリとして利用することができます。

もう1つはDAISY の DTBook ドキュメントタイプというものです。DAISYとはDigital Accessible Information Systemの略で、視覚障害やディスクレシア(識字障害)など、印刷された本を読むことが困難な人が利用できるように工夫されたデジタル録音図書やそのシステムの事です。このDAISYの最新規格がDTBookという仕様として定められており、EPUBではXHTML以外にDTBookの仕様も利用できるようになっています。DTBookとDAISYに関しては下記サイトに詳しく記載されています。

DTBookの仕様でもテキスト部分はXHTMLからモジュール部分を採用しており、SMIL (Synchronized Maltimedia Integration Language) を利用して音声ファイルとテキストデータを同期させることができるようになっています。

EPUBデータの作成方法

前述のようにEPUB形式のデータはコンテンツ部分をXHTMLのボキャブラリを利用して制作していくことになります。画像はJPEG,PNG,GIFといったWebと同様のものを利用します。epubの仕様ではSVGをサポートしているため、複雑な図表はSVGを用いて作成することもできます。仕様に沿って作成したデータ類を一つのフォルダに入れzip形式に圧縮します。さらにその拡張子を.zipから.epubに変更すれば.epub形式のデータの完成となります。

XHTMLが分かっていれば、比較的短時間でEPUB形式での電子書籍作成が可能です。またXHTMLが全く分からない人でも専用のソフトを使えば簡単にEPUB形式のデータを作成する事ができます。(オーサリングツールについては後述)

EPUBの問題点

現状でも多くのリーダーで日本語は表示できますが、日本語特有のルビや縦書き、日本語の組版に対応していない部分も多々有ります。また現在の仕様では日本語の禁則処理について定められていないため、”「」”や”、”や”。”などが行頭にきてしまうといった致命的な問題があります。(ルビや禁則処理は仕様で定められていなくても端末側で実装してくれるようになるかも?)

このような日本語特有の問題を受けて、日本電子出版協会(JEPA)が要望をとりまとめEpubの日本語対応要件としてepubの次期仕様に盛り込むように働きかけているようです。

EPUB形式は雑誌には向かないと言われています。これは、複雑な段組レイアウトを組むのが難しいためです。また拡大・縮小などの操作によって文字や図画がリフロー(再配置)されるため、今の仕様では写真が沢山載っているファッション雑誌などをEPUB形式で作成するというのはなかなか難しいようです。

EPUBのオーサリングソフト

現在出ている市販のソフトではAdobe Indesign CS4がEPUB形式をサポートしています。さらに日本で5月末に発売されるAdobe Indesign CS5ではiPadやSonyのeBookリーダーなどへの出力もサポートしており、CS4よりさらにEPUB形式の編集および出力機能が強化されているようです。

「Adobe Indesignなんて高すぎだよ!無理!」という方には電子書籍用エディタSigliってソフトがあります。フリーで使うことができます。Windows、Mac OS X、Linuxそれぞれで利用することが可能で、ワープロ感覚でWYSIWYG編集する事ができます。

(他にもEPUBのオーサリングソフトがありましたら教えて頂けると嬉しいです。追記していきます)

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